「会員の声」投稿第一号(谷口真一さん)を掲載します!

先般開設した「会員の声」に記念すべき第一号の投稿をいただきましたのでご案内いたします。

投稿者:谷口真一さん(無職:70歳)

【タイトル】稚内の気候と小児喘息

稚内は空気がとても澄んでいて一年を通じて湿度が低く、高温多湿を不得手とする喘息患者にとってはよい環境ではないかと思う。勿論、冬はブリザードのような吹雪も含め大変厳しいものがあるが、それでも少しでも喘息の症状が軽くなること考えれば、今や亜熱帯化しつつある日本の中で過ごし易いエリアだと私は思う。

私は、小学校5年生の夏に京都から稚内に両親の都合で転居してきたのだが、それまで4歳の頃から患っている小児喘息の発作に大変苦しんでいた。京都は盆地で蒸し暑い夏も長く、高温多湿で小児喘息の患者にとっては不向きな環境と言っていいと思う。小児喘息は大抵の場合、小学校入学までに発症し成人までに約7割症状が無くなると言われているが、重い症状だった私は、小学校を休む日が多く登校しても体育の時間は見学が常だった。発作が始まると喘鳴(ゼーゼーという呼吸音)を伴った呼吸困難に見舞われ、横になることも出来ない状態だった。その症状を軽くする薬は当時からあったが、治癒させる薬はいまだ無いのが実情だ。

そんな私にとってこの転居は大変な好機となった。稚内への転居を機に喘息の症状が全く無くなったのである。稚内の気候がそうさせたものと私は感謝している。

そこで思うのだが、小児喘息に苦しむ多くの子供達が残念ながら幼くして発症してから、その症状が無くなるか軽くなるまで稚内で暮らしてはどうかと思う。喘息の発作は本当に苦しく、どうしようもない喘鳴も周りの家族に気を使い、出来るだけ小さくしようとまた苦しむ。稚内の環境は大いにその症状の軽減に役立つものと思うからである。

そうは言っても稚内に転居してくるのは簡単な話ではないだろう。そのために、例えば安い住居の提供とか、どこかの病院には小児喘息の専門医が居るとかいった環境作りは必要だろう。小学校も休みがちだった私は幸いにもイジメを受けなかったが、受け入れる小学校、中学校でも先生と子供達が小児喘息への理解を深め思いやりが持てれば、小児喘息の子供達だけでなく受け入れる子供たちの成長にも役立つのではないだろうか。

小児喘息の症状を軽くするか、なくなっていく期間の住民かも知れないが、爽やかな気候だけでなく、思いやりのある温かい環境はその子供たちに第二の故郷として稚内を思ってもらえるに違いない。

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